身の回りで活躍する動物型・昆虫型ロボット
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荷物の運搬、農業、介護、雪かきなど、人とロボットがともに働く現場で、人をサポートするために広く使われているパワーアシストスーツ。初めて開発されたのは1990年代で、その後、いろいろなタイプが登場しました。
多くの製品にはS、M、Lなどのサイズがあり、ベルトなどでの調節も可能でしたが、「動きにくい」、「体にあたる部分があって痛い」などの課題がありました。パワーアシストスーツの本体は荷重を支える必要があるため、やわらかい材料でつくるわけにはいかず、こうした課題をクリアすることは簡単ではありませんでした。
そのような中、2020年代に山形大学がメーカーと共同で開発したのが、クッションベルトです。パワーアシストスーツが腰にあたる部分に装着するもので、ゲルの3Dプリンティング技術を駆使して製造され、装着者の体型にぴったり合わせることができるようになりました。さらに画期的だったのは、別に開発した軽くて強いスーツ本体と組み合わせることで、ひねりの動作を含め複数方向へのきめ細かいアシストが可能となったことでした。これは、クッションベルトが圧力センサー機能を備えており、圧力の変化から装着者の体の動きを予測して、その情報をパワーアシストスーツに伝えることで実現しました。
現在では当たりになっているこの機能は、センサーや、センサーを駆動する電池・回路、通信用の素子などを、やわらかい材料で低コストでつくる技術が開発されて実装されました。さらに、近年では、パワーアシストスーツの用途に応じて、様々な機能をもつクッションベルトが登場しています。例えば、発電所などの点検用パワーアシストスーツに使用するクッションベルトには、放射線、二酸化炭素濃度などのセンサーが組み込まれており、危険を察知したら警報を鳴らしてくれます。
このように、パワーアシストスーツは、クッションベルトの開発により、装着者にとって快適で、高い機能をもつものへと進化してきました。そして2050年、山形大学はついに、パワーアシストスーツ本体を3Dプリンタでつくることに成功したのです。
このパワーアシストスーツは、ふだんはやわらかいが荷重がかかると固くなる材料を芯材に使う一方、体にあたる部分にはゲルを使用することで実現しました。異なる材料を組み合わせながら、大型の製品を印刷する技術を地道に開発してきたことによる成果です。クッションベルトに実装していた機能を本体に組み込むことも、3Dプリンティングを中心とした複合技術で達成しました。
このパワーアシストスーツは全国各地のコンビファブで注文製造に応じており、今後、主流になっていくと予想されます。また、コンビファブでは、こうした技術を生かして、個人の足に完全にフィットするシューズの販売も始めました。歩行・ランニングの疲労軽減やアシスト効果が期待されています。
ここまで進化してきたパワーアシストスーツ。この先はどうなっていくのでしょうか?技術評論家のF氏は、「センシング機能、通信機能、さらには、発電機能も備えたテキスタイルでできた『着るアシストスーツ』になるのではないか」と予想しています。アシストスーツを着た私たちが、かつてのヒーロー映画の主人公のように、車を持ち上げたり、壁をはいのぼったりできるようになる日が来るのかもしれません。
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